英語が話せない技術者

私は英語が話せない技術者である。非常に不便を感じているが、既に中年を迎えている脳と耳、そして日本語ですら滑舌の悪い口、これらは私の英語の勉強意欲を激減させている。正当化しているわけではないが、やらない理由を言いたいだけである。

非常に厄介な状況だ。

海外の仕事を行うことが増え、英語が必須能力となりつつあるが、劣等感に押しつぶされそうな日々である。技術もツールも進化し情報量は私の処理能力を遥かに超えているようにも感じる。

クタクタになるまで働く毎日で、語学の勉強を取り入れることは不可能に近い。

そこで私は、同時翻訳ツールの開発に期待している。他力本願だが仕方ない。近年の技術開発により同時翻訳は目まぐるしい進化を遂げている。もうすぐそこまで来ている感じだ。

私は日本語で喋った文章を自分の声で他言語に翻訳してくれるツールが欲しい。逆も然り。イヤホンから入ってくるのは相手の言葉を日本語に置き換えた文章だ。通訳さんには申し訳ないが通訳さんを必要としない世界が来るのを待ち望んでいる。

あと5年くらいだろうか?私が現役でバリバリ働いているうちに言葉の壁が取り払われる時代がこれば、私はもう2ランク上の成果を上げるだろう。

実現しないければ私は大成すること無く製造業をすることとなるだろう。こればかりは仕方ない。

計算もイマイチ、英語も話せない技術者になった私の最後の賭けのようなものである。どうか叶えて欲しい。


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