強度バランスの良い設計をするために

こんばんは。日本の製造業は長い年月を掛けて成長してきました。日本人の真面目さも重なり、同じ失敗を繰り返すことを悪と捉え、あらゆる肉付けが行われてきました。破損すれば補強部品を増やし、品質が悪ければ位置決めを増やしてきました。

その結果、硬さと柔らかさは意図せず共存し、その境目で破損を繰り返します。境目が無くなるほど補強すれば、その重さに耐えられず、ロボットや装置の駆動部が壊れました。

部品製作には溶接が重宝され、溶接強度には何の疑いも持たれなくなっています。設計者はコテコテと材料を溶接で組合せ、それをするほどに強度が弱まっていることも、溶接が交わるポイントで大きな熱影響を受け材料が弱くなることを忘れてしまいました。

硬さと柔らかさのバランスが元に戻ることはなく、硬い部分はより硬く、最弱点との差は広がるばかり…

強度解析も進歩しました。私が解析結果で一番初めに見るのは変位量を表す色のグラデーションの幅です。均等であれば強度的にはバランスがいい可能性が高まります。次に最大応力値が予想通りの場所にあるか?またその値は大きすぎないか?このように自分の中の強度バランス感覚と照らし合わせるように結果を客観的に見ます。

しかし、多くの設計者は、最大応力値の数値のみを見ます。オマケで変位量の値を見ます。決められた許容値内であれば、それでオッケー、終了します。予測との照合も極端な変異も目に止まりません。

今一度、設計者たる者、強度バランスを養っていきたい。自然を眺めているだけでも、街の中を見ているだけでも、そのような目でボーッと、且つへぇ~と、見ているだけで養える。学びは身の回りのどこにでもありますから、日本の製造業がDXで再躍進を遂げるために日々の成長は必要となるでしょう。

ちょっとネガティブな感情が増えていますが、3月は少し寂しい気持ちになる月ですから4月に明るい気持ちで頑張っていけるように、忍耐強く頑張りたいと思います。

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